Story

共に歳をとる、ということ
Growing old together.

重厚感のあるシンプルな真鍮のアクセサリー。
そう書いてみると、そこら中にありそうな言葉です。
けれど私が欲しかったものは、世の中にあまりありませんでした。

シンプルで重厚感のあるものはたいてい高すぎた。
真鍮のブランドはきゃしゃで頼りなく見えた。
手の届く範囲で「これだ」と思えるものは、なかなか見つからなかった。

私は気づきました。
欲しかったのは「ただのいいアクセ」ではなく、共に歳をとってくれる、そんなものだったのだ、と。

身につけることで自分の存在を確かめさせてくれるもの。
少し邪魔だけど外したらきっと寂しくなるもの。
苦楽を共にしてくれる身近な存在。

それはピカピカの新品では成立しません。
ある程度の重みがあって、扱いに気を使わない頑丈さがあって、そして時間と一緒に変わっていける素材で初めて成立します。

だから真鍮を選び、装飾を削り、邪魔にならない程度の厚みに留めました。

GANKO BRASSは、特別な日のためのアクセサリーではありません。
スーツに合わせるためのものでもない。
フォーマルな場にはまったく似合いません。

普段着の手元がなんとなく寂しい人。
シンプルな服を着ているけれど、手元だけは飾るものがなくて困っていた人。
ずっとつけていられるアクセサリーを探している人。
そういう人に向けて作りました。

ガシガシ使わないとGANKO BRASSの魅力は放たれません。
運動するときも、風呂に入るときも、寝るときも、つけたまま。
気を使わずに付き合ってほしい。
そうしているうちに、傷もつくし、色も変わる。
それでいい、それがいい、というブランドです。

私が望んでいるのはこんな未来です。

1年使って、見慣れて、飽きて、いつの間にか着けていることを忘れて、
3年後にふと見て「あれ、こんなにかっこよかったっけ?」と思う。
それくらいの距離感がちょうどいい。

もう少し先まで願えばこうです。
あなたの子どもが大人になった日、譲り渡してもらえる。
あなたが世を去ったとき、誰かが「そういえばあいつ、こんなアクセ、いつもつけてたよな」と思い出してくれる。

そうやって人と一緒に歳を重ねていく道具。
そういうものになれたらと思っています。

逃げ場のある無骨さ。
それくらいがいい。

椅子に座り、思索する男性の横顔。腕に真鍮のチェーンブレスレット。モノクロ。